住まいの設計

設計士が自宅を建てる時に選ぶ施工者とは?

藏岡 三郎

家を建てるには施主の要望をまとめて設計図におとしこむ「設計士」と設計図をもとに工事する「施工者」が必要です。私は20年以上設計業務に関わっており同じ期間「施工者」と一緒に仕事をしてきました。そんな私が自分の家を建てる時にどんな「施工者」を選ぶのか。その理由も含めてこの記事では紹介致します。皆さんの住まいづくりの参考になればと思います。

藏岡 三郎
藏岡 三郎

皆さん、こんにちは。藏岡です。今回は「施工者」の選び方がテーマです。一生に一度の住まいづくりです。後悔しないように一緒に勉強しましょう。


住まいづくりの登場人物とは?

まずは住まいづくりの流れをハウスメーカーを例に確認していきましょう。各登場人物の役割は後に説明します。家を建てたいと思う施主。これは皆さんのことですね。施主が住宅展示場のモデルハウスに行くと登場するのが「営業」です。「営業」から要望や概要を聞いて設計提案を作成するのが「設計士」です。会社によっては設計提案をする前に資金面のアドバイスをする「ファイナンシャルプランナー」が登場することもあります。「設計士」が作成した図面をもとに実際の工事を管理するのが「現場監督」です。実際の工事は様々な種類の専門の職人さん達が入れ替わり工事して進んで行きます。それでは次に各登場人物の役割を紹介します。

設計士

設計者は施主の要望や敷地の法規制等の諸条件を整理して、図面等で表現する役割です。設計提案を営業が行う会社がありますが、これはかなり要注意です。法律や構造を考えずに「売れる間取り」を提案する事が多く、結果的に施主が不幸になるリスクが高まります。誠実な設計士であれば施主要望・法規制・構造・断熱性・インテリアデザインといった複合要素をまとめて最適解を提示してくれます。個人的にはこれに加えて、打合せが楽しくなるような仕掛けやトークを心がけています。
所有している資格は「一級建築士」または「二級建築士」です。一級と二級では資格試験の難易度、設計できる建物規模に違いがあります。
工事が始まる前は「営業」と組んで工事のための図面を作成し、工事が始まった後は「現場監督」と組んで現場が図面通り進んでいるかチェックする仕事をします。

現場監督

現場監督は工事が予定通り進むように各職人さんを管理する仕事と建物の施工不良がないかをチェックする仕事をします。「一級施工管理技士」または「二級施工管理技士」といった資格をもっています。基本的にいくつもの工事を同時に進めているので会社にはおらず、日中は現場から現場を移動しています。よく工事は現場監督さんが全て一人でやっていると勘違いされる方がいます。実際は各工事を専門で行う職人さんが現場を入れ替わり入って工事をします。(大工さん、電気設備屋さん、壁紙屋さん等)

営業

営業は住まいづくりにおけるプロジェクトマネージャーの様な位置づけです。設計士とペアになって取り組むことが多いです。私も20年以上様々な営業と仕事をしてきましたが、皆さんに営業マンにとって大切な要素を一つお伝えします。それは「誠実さ」です。私が最も優秀だと思った営業マンは施主だけはなく、設計士や現場監督、大工にいたるまで誠実さと尊敬がありました。そうすると関係者が彼(営業)が言うなら、と一生懸命仕事に取り組み結果的に施主に喜んでもらえるのです。営業は毎月のノルマがあり、1棟売るごとにインセンティブが入ります。つまり契約をとればとるほど給料が増える仕組み。その為、中には契約をとるために施主に嘘をついたり、他社を批判するする者もいます。中でも最も酷かった営業は服装が派手(テカテカのスーツやギラギラの時計)で社内の他の営業をいじめたり、私を含む関係者に対して傲慢な態度をとり机を叩いて恫喝までする始末。すぐに関わってはいけない人間だと判断してその仕事はお断りしました。皆さんにおいては、話し方(売り込みが異常に強い)や頼んだ事を期日通りにやってくれるか、服装や髪型が衛生的かどうかなどを参考に判断してもらいたいと思います。

ファイナンシャルプランナー

ここで言うファイナンシャルプランナーとは「ファイナンス=資金」「プラン=計画」の文字通り、住宅購入資金についてアドバイスをする人です。私もかつて相談にのってもらいました。銀行預金・金融資産(株や投資信託等)・不動産(土地や建物)さらには借金(奨学金、カーローン等)といった資産状況を整理した上でこれからのライフイベントで必要な資金を試算。住宅資金としていくら借り入れるのが妥当かをアドバイスしてくれます。ほとんどの場合費用はかかりませんが、その代わり生命保険や住宅火災保険加入の際には必ず同じ方が登場します。
住宅用資金を融資してくれる銀行は金利商売なので沢山融資しようとします。「銀行が3000万円貸してくるっていうから、私には3000万円返せるんだ!」というのは残酷ですが大きな間違いです。気になる方は是非一度お金のプロフェッショナルに相談してみましょう。

「施工者」の種類と特徴

これまでの経験から私が考える施工者は「工務店」と「ハウスメーカー」のいずれかです。前者は〇〇工務店や〇〇建設、後者は〇〇ホームや〇〇ハウスといった会社名が多いです。

工務店

工務店の多くは中小規模の会社です。まずは社長が現役現場監督で経営、営業しながら現場監督もしている。従業員は数名だけで経理は親族。という社内構成。専門職である設計士は社内におかず、外部の設計士を外注することがほとんどです。小規模組織の為フットワークが良く、全館空調や制震ダンパー等新しい技術採用にも前向き。一方でホームページやSNSでの情報発信まで手が回らないため、よい会社にも関わらず見つけるのが難しいという欠点があります。

ハウスメーカー

私もかつて大手ハウスメーカーに勤務していました。社内には「営業」「設計士」「現場監督」の他にも工事金額を積算する「積算」や「経理」「係長」「課長」「部長」「専務」「常務」「代表取締役」と本当に多くの人・管理職がいました。当然、TVCMや情報誌に広告をだします。何を言いたいかというと建物価格が実際にかかった金額より遥かに高くなるという事です。施主と顔をあわせる「営業」「設計」以外の人件費と広告費が利益として建物価格に上乗せされるためです。大手ハウスメーカーというブランドが欲しい人はそれを理解した上で判断しましょう。

ミニマリスト設計士が選ぶ「施工者」

前提が長くなりましたが私が自宅を建てる際に「施工者」として選ぶのは「地域密着型の中小規模工務店」です。理由は三つあります。
①建物価格が適正である
上記のハウスメーカーの項目でも書きましたが、適正価格で建物を建てたいという理由からです。大手ハウスメーカーのスケールメリットによる価格の優位性はありますが、それ以上にバックスタッフの人件費が上回っていると感じます。
②ミニマリストはブランドに興味がない
ミニマリストにとってブランド・ネームバリューは不要です。新しい住まいで幸せな暮らしができればそれで充分。大手ハウスメーカーだからアフターフォローが安心といいますが当然です。それに見合う高い金額を請求されるのですから。
③施工技術の差が縮まっている
10年ほど前はハウスメーカーと工務店で施工技術で差を感じていましたが、ここ最近は縮まっていると感じます。むしろ工務店が差別化の為に技術特化している部分があり、大手ハウスメーカーの方が腰が重く乗り遅れている感があります。

ではどうやって地域密着側の工務店に依頼をするのか。
私には日々の業務で顔をあわせている信頼できる工務店が複数いますが皆さんがよい工務店をみつける方法を2つお伝えします。
①人柄がよくデザインが好みな「設計士」をWeb・SNSで検索する
 なぜ設計士?と疑問に思われますが実はよい「工務店」は「設計士」が知っていす。
 「設計士」はWebとSNS発信に前向きな方が多いので皆さんでも容易に検索・発見
 できます。「設計士」に設計してもらってから工務店を紹介してもらいましょう。
②タウンライフ家づくりで提案をうける
 もっと効率的に工務店を探したい方には「タウンライフ家づくり」を紹介します。
 このサービスは施工したい地域・予算・希望間取りなどを入力すると複数の会社が
 無料で家づくり計画書を作成してくれます。提案内容・会社規模を比較できるので
 自分達にあった工務店探しが可能。興味のある方は下記リンクよりお試し下さい。

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は「施工者」をテーマにお話しました。住宅業界の内側にいる私が自宅を建てるなら地域密着側の中小規模工務店に依頼します。その理由は適正な価格でほぼ同じ施工技術レベルで建設可能だからです。また中小工務店は「人対人」を重視する経営者が多く、親身になって家づくりに取り組んでくれますね。今回のお話で皆さんが適切な「施工者」を見つける事ができて、自分らしい住まいを建設できると嬉しいです。この記事の感想やご質問は下の問い合わせフォームからお願いいたします。

最後まで読んで頂きありがとうございました。藏岡三郎でした。

this is ME
藏岡 三郎
藏岡 三郎
一級建築士
設計歴20年以上の一級建築士
離婚を機にミニマリズムに目覚める。
現在小さなミニハウス(自宅)を設計中。
神社巡りが好き。自宅の神棚で朝晩お参りが日課。
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