ミニマリスト設計士が思うミニマリストの始め方とメリット・デメリット
皆さん、ミニマリストというとどんなライフスタイルを想像しますか?何もない空っぽの部屋、白い壁、禁欲的でストイックな暮らし、家具は一つも置かずに床に座り、床で寝る生活・・。いかがでしょうか?こんなライフスタイルを想像した方がいらっしゃるのではないでしょうか。そして「自分は絶対ムリ。そんな暮らしどこが幸せなの!?」と思う。しかし実際は正反対です。ミニマリストの暮らしは想像以上に自由で、余裕があってノイズが少ない暮らし。本当に好きなモノやコトだけに囲まれている豊かな暮らしができます。この記事では筆者がリアルに感じて体験してきたミニマリストのメリットとデメリットと共にミニマリストの始め方を紹介したいと思います。取り入れてみたいと思った方は是非その第一歩を踏み出してみましょう。それでは始めましょう。
皆さん、こんにちは。藏岡です。今回のテーマは「ミニマリスト」是非とも皆さんの生活に取り入れて欲しい思想です。残念ながらメディアにでているミニマリストは誇張に表現されているように感じます。本当のミニマリストの暮らしとは・・?
ミニマリストとは
冒頭の文章にあったミニマリストのライフスタイルとはどんな暮らしを想像しますか?
「何もない空っぽの部屋、白い壁、禁欲的でストイックな暮らし、家具も持たず床に座り、床で寝る生活」それはこんなイメージではないでしょうか?
しかしこれは誤ったイメージ。ミニマリズムの誤解で多いのは①ミニマリズムは整理整頓の手法②ミニマリズムは全て捨てないといけない③我慢が多い。この3点が多いです。確かにミニマリストは整理整頓が得意ですが、荷物ゼロではありません。自分が心地よいモノの量で暮らしています。次にミニマリストのメリットとデメリットを紹介したいと思います。
ミニマリストのメリットとは
人生の満足度が向上する
皆さん、こんな風に考えたことはないでしょうか?「いま、自分が人生において満足できないのは〇〇を持っていないからだ。〇〇さえ手に入ればきっと満足できるのに。」しかしよく考えてみてください。物質的な所有物では人生の満足度は上がらない事をみんなどことなく感じていませんか。上がったとしても一瞬で終わりを迎え、また別のものを所有したくなります。この「A」を手に入れた!➡「B」も欲しい➡「B」を手に入れた!➡やはり「C」も・・***という永遠のループから抜け出せた時、自分が何に対して不満だったかに気づくことができるでしょう。
使えるお金の量が増える
これは本当にシンプルでわかりやすいお話。単純に買うものが減れば、使うお金の量も減ります。周囲に置いているものが減れば、維持管理や買替えに費やすお金の量も減ります。驚くべきことですが気がつくと使えるお金の量が増えているのです。ミニマリストになってから強く感じますが、経済的自由というのは「お金を沢山稼ぐこと」だけではなく「物を減らすこと」も必要なのではないでしょうか。そして「物を減らすこと」は稼ぐことよりも圧倒的に難易度が低く簡単なのです。
こども達に良い背中を見せる事ができる
ミニマリストの私も食料品や日用品を買いにショッピングモールに出かけることぐらいはあります。その際たまに小さなこどもが両親に「〇〇が欲しい!!買って!買ってー!」と駄々をこねているを見かけます。親が浪費して散財ばかりしていてはこどもを教育することもできませんね。我が子に過剰な消費をあおり続ける社会から身を守る方法を教えたいと思いませんか。こども達は一番身近な大人であるあなたの背中を見て育つのです。
他人と比較しなくなる
かつての私もよく他人と比較していました。特に学生時代の狭いコミュニティの中においては比べてばかり。今思うと人間・藏岡にまだ自信が持てず、所有物でカバーしようと必死だったのでしょう。これは人間の本能のようなものだと思います。さらには自らも他人に所有物を自慢したい。見栄を張りたいという欲求もあります。まさに勝者のいない永遠のゲーム。上には上がいてどこまでも際限がありません。意識してものを減らしていくと、自然に自分の持ち物に愛着と誇りが生まれ、自信が生まれ他人と比較すらしなくなります。これはすごく楽。本当に楽ですよ。
上質なもの・体験に触れられる
週末のショッピングモールやアウトレットモールに行くと「折角来たのだから何か買わないと」と必死になっていらないものを買ってしまった経験、皆さんはないでしょうか?私はありました。こういった不要な買い物が無くなると、本当に必要な買い物をする際に上質なものを選ぶことができます。単純にお金の余裕ができるから。また食事や旅行等にもコストをかけることができます。ミニマリズムは過激な節約志向ではありません。不要なものとはサヨウナラをして自分にとって大切なモノやコトにはしっかりお金を費やして楽しむという考え方です。
心の余裕が生まれ自由になれる
大量のものに囲まれて暮らしているといつの間にかモノの「奴隷」になってしまいます。肉体的にも、精神的にも、経済的にもモノに支配されてしまう。不用品を処分すると視界が広く、世界が少しクリアにそして色々な事が見えてきます。募金や慈善活動など人の為にお金を出す余裕が生まれ、モノから解放され自由になることができます。たまにテレビで放映している「ゴミ屋敷」は豊かで自由な暮らしでしょうか。私の眼にはそうは見えなくて、小さくてもすっきりと片付いている部屋の方がよほど自由に見えます。
ミニマリストのデメリットとは
周囲の人たちとの間に心の壁ができる
ミニマリズムは認知度は高まっていますが、取り入れている方はまだまだ少ないのが現実。この考え方・コトバは浸透し始めていますが多くの人は消費社会の罠から抜け出せず大量に買い、大量に溜め、大量なモノに囲まれ暮らしています。残念ながら自分がミニマリストというと周囲の人たちから変なヒト扱いされることもしばしば。テレビで面白おかしく誇張されたミニマリストが映されているのが誤解されている一因ではないでしょうか。一方でマキシマリスト達は自分の暮らし方を否定されているのでミニマリズムを受け入れられず、心の壁を作ってきます。それが愛する家族だったら悲しいですね。家族とは話し合い妥協点を見出すことをお薦めします。
過度なミニマリズムによる利便性・快適性の低下
私もかつて陥った経験があります。離婚した直後は掃除機も洗濯機もない暮らしをしていました。最初は実験的な意味合いがありましたが、途中からミニマリストな自分に酔ってきて不便なのに我慢して続けていた経験があります。過度なミニマリズムで利便性と快適性を失っていました。こうなってしまっては意味がありませんね。幸せに暮らすためにミニマリズムを取り入れたのに、我慢してミニマリストの暮らしをすることが目的になっていました。やはり文明の利器は大変便利。必要なものには適正なコストをかけて便利に機嫌よく幸せに暮らしましょう。
必要な物の購入をためらってしまう
これもよくある事です。実は私も現在リハビリ中。必要なモノを買うのに慎重になりすぎてしまうんですね。いくら考えてもわからないのについつい考えすぎてしまう。もっと上質なモノはないか?あっちの方がコスパがよいのでは?とかですね。最近はだんだんわかってきまして「80点がとれていて気に入りそうな物なら充分。もしダメだったらメルカリ等で次に持ち主を探そう」と割り切っています。「必要なものを見極める力」と「気持ちよくお金を使う力」両方とも養えるとよいですね。
ミニマリストになる5つのステップ
メリットとデメリットを理解した上でここからはミニマリストの始め方を紹介したいと思います。私が実践した5つのステップを紹介します。期間は特に決めなくてよいです。通勤・通学の時間帯にぼんやり考えたり、家についたらこのカテゴリーを整理してみようと思案していきましょう。一気に行うと後悔することもありますのでゆっくり一歩ずつ。それ位でちょうど良いと思います。
準備編①過剰消費を促す社会を意識する
「成功したらどんな暮らしをしたい?大金持ちになったらどんなものでも買える。大きな家に住んでブランド服に身を包み、高級外車で銀座のお寿司屋さんでディナー」いかがでしょうか?裕福で幸せそうなイメージがこの表現でしっくり来る方もいらっしゃると思います。これらはマスメディアによって皆さんに勝手に植え付けられた「幸せな暮らし」のゴール像です。「幸せな暮らし」のイメージはみんなそれぞれ違うのに。なぜマスメディアはこんなイメージを流布するのか?それは自社の利益のため、そしてスポンサー・依頼主である高級ブランドや不動産業者の利益のためです。いわばマスメディアによって私たちの「幸せな暮らし」が画一的に決まられているのです。本当はいらないものを過剰に買わせようするマスメディアの存在を意識する事が第一歩。この意識を持ってモールやスーパーマーケットに行ってみると、以前何も考えず買っていたものを買わなくなりますよ。
準備編②自分の「欲しい」という感情を理解する
「欲しい」の正体は脳から分泌される興奮物質。実は我々はお金で買って現実にモノが「欲しい」のではなく、モノを購入したことで得られる多幸感や気持ちの落差=(興奮物質)を求めているのです。ギャンブルに近いと思います。ここで一つ具体的な例を示して説明します。藏岡青年は以前から欲しかった高級腕時計を購入しようと銀座の百貨店に地下鉄で向かっています。目当てのモデルを見つけクレジットカードで一括で支払い。何カ月も貯金してやっと買えた!脳内から興奮物質がドバドバと分泌され気分は高揚しています。我慢できず腕時計は身につけて帰る事にしました。そしてお店を出て電車に乗っている途中から徐々に、遂には自宅に着くころには興奮も冷めて次の腕時計の事を考えているのです。どうでしょうか。似たような経験お持ちではないでしょうか。あなたが今もっているその「欲しい」は本当に望んでいることでしょうか?
実践編①身近なモノから小さく始めてみる
意識するという準備ができたら次は実践です。家の中全てを一気に変える必要はありません。カテゴリーを細かく分けてみて、小さく始めるのがコツ。今週末はクローゼットの中、来週末は下足入れと洗面化粧台の中等、身近な場所・モノから小さく始めてみて下さい。よく使う身近な場所から始めるとより効果を実感するため、どんどん整理が加速していきます。もし手放す事に迷ったモノがでてきたら一時保存箱に入れて蓋をして2週間待ちましょう。2週間不自由なく過ごせた。または一度も使わなかったらお役御免。次の持ち主の手元に届くように、フリマサイトかリサイクルショップに持っていきましょう。
実践編②手放せない大切なモノと向き合う
手放す事を迷う以上に困らせてくるのが記念品など感情が乗っかっているモノ達。なかなか手放せないですよね。わかります。まずは思い出の写真や手紙等はスキャンしてPDFで保存。デジタルデータにしてクラウド上にしまっておきましょう。紛失する恐れもないし検索して見やすくなるので一石二鳥です。でもどうしてもとっておきたいモノがある・・。そんな時は「思い出BOX」を用意して容量を決めると良いです。私はIKEAで購入した箱に保存しています。入らなくなったら箱を増やすのではなく、中に入っているものを1つ手放して保存します。
維持継続編①自分の生き方に自信をもつ
準備と実践を経てかなりモノが少なくなってきたと思います。ここで揺り戻しが起きてまた大量に買い出したら元の木阿弥。維持継続が大切です。ミニマリスト始め方の最後は思考の方法です。マスメディアによってつくられた幸せのカタチはあなたにピッタリ当てはまっていますか?100人いたら100通りの幸せのカタチがあると私は思います。他人が作った幸せのカタチを強制されることはあってはいけない。逆に自分の幸せのカタチを他人に押し付けるのも間違っています。私たちはいつも不安で周りを過剰に気にしてしまう。ミニマリストの生き方を「私の幸せはこのカタチ!他人から何と言われようと構わない」と自信をもつと他人やマスメディアに左右されない芯ができます。
まとめ
ミニマリストのメリット・デメリットとミニマリストの始め方紹介はいかがでしたでしょうか。この記事を読む前と読んだ後でミニマリストの印象が変わり、正しく伝わっている事の望みます。マスメディアの影響力は大きくて気がつくと彼らにとって都合のよい一つの幸せのカタチを求めるようになってしまいます。本記事で最も伝えたかった事はシンプルに「ミニマリストっていいよ!」という事かもしれません。多様性の時代、様々な考え方があってよいと思います。私は幸運にも自分にあうミニマリズムという考え方に出会って以前よりずっと幸せを感じるようになりました。物質的には出会う前の方が豊かだったと思います。どうか皆さんが一人ひとりにあった考え方に出会って、これからの人生が素晴らしくなりますように。
最後まで読んで頂きありがとうございました。藏岡でした。