ミニハウス

ミニマリスト設計士が辿りついた小さな家の魅力

藏岡 三郎

 このブログを読んでくださる皆さんはきっと家づくりに関心があるはずです。皆さんが家づくりで大切にしていることは何でしょうか。家の広さや外観、地震に強い家、最新の設備を導入するなど様々ありますね。実は私は現在、これまでの経験から辿り着いた理想の小さな家・ミニハウス(自宅)を建設しようと計画しています。なぜならこの小さな家こそ「私達家族の幸せにつながる家」だと考えているからです。私は20年以上の設計歴のなかでローコスト住宅から2億円規模の高級住宅まで様々な思考、大きさの家を設計してきました。この記事ではその経験から得た自分自身が本当に住みたいと強く思う小さな家の魅力をお伝えします。

藏岡 三郎
藏岡 三郎

皆さん、こんにちは。藏岡です。小さな家の魅力とそれに辿りついた経緯についてお話します。私のプロフィールは下のボタンからお読み頂けます。

私がミニマリストになった理由

小さな家の魅力説明の前に、私が小さな家に辿りついた経緯・理由をお話させて下さい。私が小さな家に辿りつけたのは私がミニマリストになったからです。以前は周囲の声に影響されてばかりでどこか自分の価値観に自信がなかった様に思います。いま思い返すと自己肯定感が低かったのではないかと推測できますね。

そんな私がミニマリストになった理由は主に2点あります。2つの経験の詳細は筆者紹介に書いてありますが最も大きな理由は離婚です。 家を離れ移った小さなワンルームアパートでこれからの自分の人生をどう生きるか一人で考えた時、 だれかの人生ではなく自分自身の人生を生きよう。自分の人生の主役は自分自身なのだから。そう考えました。 その指針となる考え方が私にとってはミニマリズムでした。 同時に自分にとっての幸せとは何かを長い間深く考えました。

そして私は「幸せ」とは5つの要素からできているという考えに至りました。その5つの要素をご紹介します。

①身体的に幸せであること

健康であること。健康あってはじめて豊かな時間を過ごせる。土台となるものです。自分の足で歩けるから自由に行きたい場所に行ける。美しいものを見るには目が必要です。好きな人と話したり食事するには口が必要です。健康を犠牲にしてお金持ちになったとしても使えなければ意味はありません。

②経済的に幸せであること

そうは言ってもお金は大切。「私は幸せ」と口で言っても、お金が無くていつもお腹が空いていたら幸せではないですよね。人それぞれ必要な金額は変わりますが一定以上のお金があることで自由に時間が使えたり、心に余裕が生まれます。個人の生活に見合った適正な量が必要ですね。お金は自由に生きるために絶対に必要です。

③人間関係において幸せであること

適正な量のお金とモノがある状態で家族や友人と過ごす時間は本当に豊かで幸せな時間ですよね。逆に大金持ちであっても周りに信じられる人がいない人はとても寂しいのです。だから高級車を買ったり全身ブランド品で固めたりとお金で人の関心を引くしかできない、そんな富裕層を私はたくさん見てきました。

④仕事において幸せであること

多くの人が仕事をしています。会社に勤めることも家でお子さんを育てることも大切な仕事です。日々の仕事の中にやりがいや人の役にたっていることを実感し 自己認識、自己肯定が生まれます。必要とされていることを感じると人は幸せを感じやすくなるのです。  

⑤地域社会において幸せであること

地域社会でのコミュニティは疎かにされがちです。しかし年齢や職業の垣根を超えたご近所づきあいや地域諸団体(町内会・消防団や商工会議所など)のつながりは第三の場所としてあなたの人生を豊かに、幸福にしてくれます。

これら5つ全てを満足することを目指すのが私の人生の基本指針であり、これから建築するミニハウスは私と私の家族の幸せに繋がると信じています。次に小さな家・ミニハウスの概要をお伝えします。

小さな家とはこんな家です。

  • 延面積21坪~24坪、木造在来工法、総二階建、省令準耐火構造
  • 一階:リビングダイニングキッチン、洗面所、浴室、トイレ、玄関
  • 二階:主寝室、こども室、収納部屋、吹抜
  • 高い断熱・気密性能と耐震・制震性能
  • 家庭用エアコン2台による全館空調システム+熱交換換気システムを採用
  • 屋根太陽光発電システムと蓄電池(電気自動車)による電気有効利用
  • 耐久性と省エネ性を重視した既製建設部材を採用

いかがでしょうか。専門的な用語もいくつかありますので詳しくは別の記事で具体的な間取りと共にお伝えしたいと思います。一言で表現すると「広がりがある小さくて高性能な家」になります。シンプルに暮らすと本当に自分にとって大切なものが見えてきます。私は家族と過ごしている時間が大切です。そのための器である家によって経済的負担が増し毎日毎日、夜遅く残業していては意味がないのです。

次に小さな家で暮らす魅力を説明したいと思います。

小さな家の魅力とは

  • 総コストが抑えられるため家計の負担が少なく、経済的余裕が生まれる
  • 家族間の距離が近く、コミュニケーションが生まれやすい
  • 掃除や片付け、維持メンテナンスが楽
  • 小さい土地でも建築可能なため土地選択自由度が高く、土地価格が抑えられる
  • 光熱費・固定資産税等のランニングコストが抑えられる
  • 快適に暮らすために必要な機能にコストをかけられる

一つ一つの項目については別の記事で詳しくお話しますね。多くの住宅設計に携わってきた私が自宅建設のためにした準備について次の項目でご説明したいと思います。

【ミニマリスト設計士が解説】小さな家の魅力6選と注意点
【ミニマリスト設計士が解説】小さな家の魅力6選と注意点

準備ために行ったこと

小さな家を建設するための準備は、大きな投資となります。そのため、計画的かつ慎重な準備が必要です。 以下では、小さな家を建設するための資金計画、土地の選び方、工務店の選び方について詳しく説明します。

【資金計画の立て方】

まずは、建設に必要な予算を計算することが大切です。工事にかかる費用は、住まいの大きさや使用する建築材料などによって異なります。 予算目安として、建物床面積(ミニハウスは22坪程度)と全国平均坪単価から概算総額を計算する方法があります。 22坪×65万円=1430万円になりますね。(政府統計資料より) また、建設費用の他に、土地代や登記費用、引越費用、保険料なども考慮し、総合的な資金計画を立てましょう。 総額を予想できたら、ファイナンシャルプランナーにライフプランを相談することを強くお勧めします。 年齢、年収、こどもの有無や、生活コスト等の情報を基に相談にのってくれます。そしてこの相談は基本的に無料です。この相談をすると銀行融資を受けた場合の返済可能額やお金の必要な時期など具体的な助言を頂けます。

【土地の選び方】

土地選びは、将来の生活に大きな影響を与えるため、慎重に行う必要があります。 まずは通勤環境や教育学区などからおおまかに希望するエリアを決め、不動産会社やインターネットなどで情報収集を行いましょう。 また、周辺環境やアクセス、日当たり、自然環境などを確認することも重要です。 特に、日当たりは健康や生活の質に大きな影響を与えるため、可能であれば現地に足を運んでしっかりと確認しましょう。 また、地盤調査や法律的な制約なども確認しておくことが必要です。

【ココを見る】ミニマリスト設計士が見る土地選びのポイント7選
【ココを見る】ミニマリスト設計士が見る土地選びのポイント7選

【ハウスメーカー・工務店の選び方】

ハウスメーカー・工務店を選ぶ際には、施工実績や技術力、価格、アフターサポートなどを考慮して選ぶことが重要です。 私は地域密着型の工務店をお薦めしています。 まずは、インターネットや口コミサイトから複数の依頼先候補を挙げ問い合わせをしてみましょう。 その前に家族でよく話しあい、理想の住まい像を固めておきましょう。 ミニハウスの特徴の一つである家庭用エアコン二台による全館空調方式は施工できるハウスメーカー・工務店は少ないのが現状です。 こういった要望にも柔軟に対応できるか、ミニマムな考え方に賛同してもらえるかも大事な点です。 さらに、アフターサポート体制がしっかりしているか否かも重要なポイントです。建物のメンテナンスや修繕は長期的な視野で考える必要があります。

まとめ

人は幸せになるために生きています。お金や仕事のためではありません。そしてあなたの人生の主人公はあなた自身です。他の誰でもありません。あなた自身の幸せのために人生の様々な選択をしていきましょう。

住まいづくりは長い人生の中で大きな選択のうちの一つです。すべての人が自分らしい幸せな住まいで暮らせるようにこれからも情報を発信していきたいと思います。

最後まで読んで頂きましてありがとうございました。藏岡三郎でした。

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藏岡 三郎
藏岡 三郎
一級建築士
設計歴20年以上の一級建築士
離婚を機にミニマリズムに目覚める。
現在小さなミニハウス(自宅)を設計中。
神社巡りが好き。自宅の神棚で朝晩お参りが日課。
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